【心に残ったマーケティング】~少年隊のデビュー~
【心に残ったマーケティング】~少年隊のデビュー~
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月13日
「曲がヒットする」と「CDが売れる」がイコールではないということを周知させたのはCDに握手券を付けたAKBだが、その走りは実は「少年隊」だ。
ジャニーズjr出身でデビュー初登場1位という鉄板セオリーを確立したのも少年隊だ。
少年隊はデビューする前から既に多くのファンがいた。
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デビューすれば多くのファンがレコードを買ってくれることは確実だったが、初登場1位になるほどではなかった。
そこでジャニーズ事務所は発売時にデビューシングルを一枚でも多く買ってもらう為に
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「1人でも多くの人に買ってもらう」
のではなく
「1人に多くの枚数を買ってもらう」
という作戦を立てたのだ。
それはデビューシングルの
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A面(タイトル曲)は「仮面舞踏会」という同じ曲にしながら、B面(カップリング曲)はそれぞれ違う曲が入った5種類のレコード(ジャケット写真も5種類ちがう)を同時発売したのだ。
大好きな少年隊のデビューシングルが5種類あれば5種類全部揃えたくなるのがファン心理だ。
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ジャニーズはレコードに「コレクション性」を持たせたのだ。
多くのファンは5枚買った。
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しかし、A面(タイトル曲)は全部「仮面舞踏会」なので、ヒットチャートには別々のレコードが5枚売れたのではなく「仮面舞踏会」が5枚売れたとカウントされる。
かくして、少年隊のデビューシングルは当時としては異例の50万枚売れ、晴れて初登場1位になった。
外から見れば多少心痛い部分もあるが、当時のファンはそれが初登場1位にするための施策だということも分かっていた。
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そして喜んで五枚買い、自分達の力で少年隊を1位に押し上げたのだ。
ただ単にレコードを買ったのではなく、「少年隊を1位にする体験」まで買ったのだ。
これを端にその後のジャニーズは初登場1位がデフォルトになった(SMAPを除く)
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この施策のポイントは3つある
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1つ目は商品を売るのに「1人でも多くの人に」ではなく「1人の人にたくさん買ってもらう」ために「コレクション性」という付加価値を付けたこと。
同じタイトル曲のレコードを五枚買ってもらう施策は当時としては前代未聞だった。
2つ目は「モノの消費」に「体験の消費」を付加させて価値を上げたこと。
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重複するがファンは「レコードを五枚買った」だけでなく「少年隊を初登場1位にする体験」まで手に入れたのだ。
満足度は単にレコード一枚買うより高かっただろう。
3つ目は大元の話になるが、
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「曲がヒットする」と「CD(レコード)が売れる」は別モノだと判断したコト。
経営判断からすると目的は「CDを売る」ことであり、「曲をヒットさせる」のはその手段の一つでしかない。
CDを売るには「曲をヒットさせる」以外にも方法はあると言うことを示唆した施策だ。
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自分の仕事が行き詰まったときに「~するには~するしかない」という思い込みにはまっていないか自戒したいところだ
※ちなみに、「仮面舞踏会」は曲自体もヒットしています。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月13日
※その他
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