【D2Cとナショナルブランドの戦略の違い】
【D2Cとナショナルブランドの戦略の違い】
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年8月27日
D2Cブランドがどのような戦略を取るべきかは航空業界の大手航空とLCCの戦略の違いを比べるとわかりやすい。
●大手航空が目指すもの→売上最大化、シェアの最大化
●LCCが目指すもの→利益最大化
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→【路線】
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年8月27日
大手航空=全路線網羅で路線拡大することで売上、シェアを最大化する。しかし、その中には黒字路線もあれば赤字路線もある。
LCC=大手航空で黒字路線になっている路線のみに進出する。
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→【機種】
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年8月27日
大手航空=大規模路線には大型機、小規模路線には小型機と路線ごとに最適サイズの機種を過不足なく用意する
LCC=メンテナンスコストを下げるために最少限の機種数にする
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→D2C会社はLCC戦略に倣うべきである。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年8月27日
しかし、アメリカ等でD2Cで利益が出ていない会社はD2Cなのに「大手航空戦略」をとっている。
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→『路線の考え方に倣う』
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年8月27日
利益の少ないD2Cブランドは大々的に広告費をかけたり、流通の面を押さえたりして「認知の最大化」を図っている
これは全路線を網羅することを最優先する為に赤字路線がたくさん生まれて、総合的に利益が低くなる大手航空と同じだ
そのままではいつまで経っても利益は出ない
→D2Cは直接ユーザーと繋がれるのだから「ターゲット層のみに知られる」だけで良い。ターゲット外の人に認知させるのは広告費の無駄だ。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年8月27日
・ターゲット層に認知されるPR=黒字路線
・ターゲット外の人に認知させるPR=赤字路線
LCCは最初から黒字になる事がわかっている路線にのみ進出する
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→『機種数の考え方に倣う』
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年8月27日
商品品質に責任を持とうと思えば、必ずメンテナンスコストはかかる
大手航空のように扱い機種数をどんどん増やしていけばその分メンテナンススタッフが覚えるべきことが増え、メンテナンス品質が落ちたり、大人数が必要でメンテナンスコストが上がり、利益を圧迫する
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→D2Cはフルラインナップ戦略ではなく、完全にアフターフォロー責任を負える範囲に絞って商品を発売すべき。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年8月27日
そうでなければフォロー品質が下がるか、管理コストが上がる。
売上コストを直接原価だけではなく、販管費との関連性まで見ていれば、機種数を増やしてはいけないことがわかる。
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→間違ってはいけないのは大手航空があるからLCCがあるのだ。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年8月27日
大手航空が全国網羅路線を作り、その歪みの部分に入り込むことでLCCは成り立っている。
調子に乗ってLCCが大手航空に憧れて全国網羅や機種の増大を図ると、LCCの強みがなくなり、一気に赤字に転落する。
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→D2Cも同じだ
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年8月27日
ナショナルブランドに憧れて、ナショナルブランドのようなプロモーション、ラインナップを図ると、ただの3流ブランド崩れになる。そんな3流ブランドは「スタートアップ」や「ベンチャー」の看板が外れた瞬間、採用においても1流、2流の選考に落ちた3流の人しか来なくなる
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→D2C経営において「認知度が高くなった」のは成功ではない。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年8月27日
ナショナルブランドよりも「高い利益を出せるようになること」が成功である。
当社の利益は既に一部の有名ナショナルブランドに対して完全に追いついているし、多くのナショナルブランドも射程距離内に入っている。
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→ナショナルブランドとは違うやり方をするからこそナショナルブランドを抜けるのであって、ナショナルブランドの後追い戦略をやっていては不可能だ。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年8月27日
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→「御社はそんなに儲かってるのであれば、知名度を上げればもっと儲かるのでは?」と言われるが、それは逆だ。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年8月27日
「知名度を上げるというような無駄な事にお金も時間もかけないから儲かっている」のだ。
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→D2Cの強みは「黒字路線特化」ができることだ。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年8月27日
勉強すればするほど「大手を抜くのに、大手と同じやり方したらあかんな~」とつくづく思う。
※なお、この考え方は2020/8/27時点での考え方であり、市場環境の変化によって変わる可能性があることをご了承下さい。