【心に残ったマーケティング】~スゴイ位置情報マーケティング~
【心に残ったマーケティング】~スゴイ位置情報マーケティング~
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月7日
ネット広告の主がPCからスマホに変わったことで自社の店舗の近くを通りかかったときにプッシュ広告でクーポンを発行すると言った「位置情報マーケティング」ができるようになった
ただ、それを使いこなした日本の事例はあまり聞かない
私が聞いた話で一番すごい位置情報マーケティングはグァテマラのスニーカーショップの話だ。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月7日
そのスニーカーショップは自社店舗の近くにいる人ではなく、競合店の住所を配信ターゲットエリアとして登録し、「競合店に入った瞬間」にその人のスマホにプッシュ広告を表示させたのだ。
たしかに競合店にいる人ということはスニーカーを買おうとしている人なのでターゲットとしては抜群だ。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月7日
しかし、既に競合店の中にいるので、そこで広告を出したところでその店を出てわざわざ自店に来てもらうのはとても難易度が高い。
広告を出せばいいと言う物ではない。
しかし、その施策は大当たりした。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月7日
なぜか?
広告の中身がすごかったからだ。
その広告の内容は
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月7日
「この先~メートルの当店に今すぐ来れば、100%割引します。
※なお、割引率は毎秒1%ずつ下がりますので、今すぐ向かってください」
だ。
広告を見た多くの人は考える間もなくすぐにダッシュしてその店に向かった。
何としても100秒以内に辿り着くために。
Web広告は配信技術ばかりが取り立たさせるが、広告はやはり「中身」が8割だ。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月7日
「位置情報を元に広告を配信できる最新技術」だけでは大した効果は出ない。
「最新技術」に「知恵」を乗せて効果を出すのが本物のマーケティングスキルだ。
【心に残ったマーケティング】 ~たった8文字で売上1.5倍~
【心に残ったマーケティング】
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月5日
~たった8文字で売上1.5倍~
手前味噌の施策で面映いが、たった8文字を追加しただけで売上が1.5倍になった施策がある。
当社は20年前の創業時は蟹やメロンなどの北海道特産品のECが本業だった。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月5日
その時最も売れていたのが毛蟹、ホタテ、甘エビをセットにして送料込み3980円で売っていた「お試しセット」だった。
当時はネット上に「広告媒体」そのものがほとんど存在しなかった時代なので、そもそも「コストをかけて売る」こと自体ができず、「知恵で売る」以外の方法がなかった。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月5日
そこで打った手が
商品の個数を選ぶプルダウンの側に
「お一人様2個まで」
と言う8文字を付け加えたことだ。
そうすると、購入者の約半数が2個買うようになったのだ。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月5日
それまではほとんどの人は1個しか買わなかったのに。
ほとんどの人は物を買うときに「何個にしよう」といちいち考えず、デフォルトで「1個」と思っている。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月5日
ここで「お一人様2個まで」と言う文言を置くことで「何個にしよう」「2個までしか買えないのであれば2個買っておいた方がいいのではないか」と脳内で思考が発生するのだ。
当時は規模が小さかったので売上インパクトは月間で数十万円だったが、もし月商1000万円の商品ならこの8文字で月500万円。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月5日
年で6000万円の売上増になっただろう。
神は細部に宿る。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月5日
CVRやROASを上げたいなら、まずは「カゴ周り」の工夫をすることだ。
うまくいけばたった8文字で数千万円の売上を上げることができる。
何度も言うが「コスト」を使うのではなく「知恵」を使うのが本物のマーケティングスキルだ。
2021年のネット広告関連で予測される10のこと
これは確実にこうなると思います。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月4日
2021年のネット広告関連で予測される10のこと https://t.co/z9Ua2lfTI3 @kwm_co_jpより
【心に残ったマーケティング】~50人に1人無料~
【心に残ったマーケティング】~50人に1人無料~
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月3日
今の季節になると思い出すのは
2002年の1月に行われたANAの「50人に1人無料!」キャンペーンだ。
全路線全便50人に1人が抽選で無料になるキャンペーンで大々的にCMが流された。
「スゴイ!」
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月3日
「太っ腹!」
「どうせ飛行機に乗るならANAにしよう」
とCMは大ヒットし、ANA人気が急上昇した。
しかし、これは実は計算すると
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月3日
50人の顧客で1人平均1万円だとすると50万円の売上に対して1万円分無料にするということ。
50万円に対する1万円分のキャンペーンコストは2%であり、50人全員に「2%引き」する場合と実はコストは同じなのだ。
しかし、「全員2%引き!」「1万円が9800円になる!」と言っても大したインパクトはなく、心は躍らない。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月3日
「JALではなくANAを使おう」とまでの誘引力にはならない。
しかし、同じ2%でも「50人に1人無料!」だと、ワクワク度が違う
割引というのはある程度の新規獲得効力はあるが2%ではインパクトがないから5%、10%にすればいいというものではない。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月3日
このキャンペーンの様に形を変えると同じ割引コストでも人の心を動かす効果が大きく変わる。
WebマーケにおいてLPのCVRを上げようと思えばヒートマップで分析してチューニングするだけでなく、オファーの表現を「2%引き」から「50人に1人無料」へ変えれば劇的に効果が上がる。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2021年1月3日
「コスト」を使うのではなく「知恵」を使うのが本物のマーケティングスキルだ。
【2020年総括】
【2020年総括】
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月31日
2020年は東京採用の為の認知度アップの為にTwitterでの情報発信を始めました。
その結果多くの方に当社の「親子CPO」「寸止めマーケティング」「ペルソナ設定の誤解」「売上最小化、利益最大化の法則」「5段階利益管理」等の独特のマーケティング戦略に関心を持って頂けました。
お陰さまで多くの方にフォローして頂き、そこから派生して取材やセミナーの機会が爆発的に増えました(11,12月はほぼ毎週セミナーでした)。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月31日
また、大手出版社からの書籍出版の話も進んでおり、来年は更に質の高い形に体型立てた情報としてお届けできそうです。
また、私は講師は本業ではないため、セミナー講師のギャラは全額消費者保護団体に寄付するというスキームを構築し、業界全体の改善の底上げにも微力ながら貢献できるようになりました。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月31日
惜しむらくは今年Twitter やセミナーで知り合った多くの方々と膝を交えてじっくりお会いできていないこと。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月31日
コロナ禍がおさまった暁には是非皆様とお会いして色々語り合いたいと思います。
2021年もよろしくお願いします!
【専門家との付き合い方】
【専門家との付き合い方】
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月28日
以前、ある大学教授にある成分のレクチャーを受けた。
「この成分Aにはすごい育毛効果があることが発見されました。よって育毛剤にAを配合するとすごく育毛効果が出ると思います!」
「なるほど、Aがすごいのは分かりました。それでは従来からある育毛成分Bに比べてどう良いのですか?」
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月28日
「私は成分Aの専門家であり、成分Bのことは専門外なのでわかりません」
これを安易に「専門家が言ってるので間違いない」と成分Aを使って育毛剤を作っていたら、従来の成分Bの育毛剤よりも効果が劣るなんて事はよくある話だ。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月28日
教授は「育毛成分」の専門家ではなく、「A」という成分の専門家なのである。
もっと細かく言うと「成分Aの育毛効果の専門家」なのである。
より良い育毛剤を作りたいのならAの専門家、Bの専門家、Cの専門家から情報を収集し、比較検討してどれを使うか判断しなければならない。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月28日
専門家に頼るのは「意見や情報、知識の提供」であって、「判断」ではない。
自ビジネスの判断はあくまでも自分がしなければならない。
今回のケースで大切なのは自分がBやCの存在を知っていなければ教授からBの話が出て来ることもなく、Aを使ってしまっていたと言う事だ。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月28日
よって自分自身が「より良い育毛成分を決める専門家」の立場でなければならないのである。
だから、私は専門家に意見を聞く前に先に自分で調べるのである。
「専門家が言ってるから正しい」ではない。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月28日
まずその専門家の専門範囲がどこからどこまでで、どういう判断基準で良し悪しを判断しているかを知らなければならない。
先に調べているとこの判断がしやすい。
自分が不得意な分野の専門家はハロー効果で「この人は何でも知っている!」と盲信しがちになるが、先に調べているとこれを防げる
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月28日
専門家の専門分野というのは多岐に分かれており、一つ一つの範囲は限定的であることが多い
ビジネスにおいては自分のビジネスをうまくいかせる専門家は自分自身でなければならない。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月28日
「専門家がこう言ってるのでこうです」というのは仕事放棄だ。
「専門家の意見を参考にして、私はこう判断します」と自らの責任で判断しなければならない。
国の政治家についても「専門家がこう言っていたから~」ではなく、「専門家の意見を集めて最終的に私がこう決断した」と言って欲しいものである。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月28日
国の政治家というのは「国民にとってベストの判断をする専門家」であるべきなのだから。
【話題の広島県観光連盟のポスター】
【話題の広島県観光連盟のポスター】
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月25日
中身を読めばなぜバズったかはわかると思うが、(ぜひ先に読んでください)中身がよくても読まれなければ意味がない。
これは読まれるための仕掛けがちゃんと盛り込まれている。
これは「東京」の「駅」に貼られることを考慮して作られている。 pic.twitter.com/As7OWdXrSV
駅にはたくさんの人がいるが、その人たちはポスターを見るために駅にいる訳ではない。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月25日
ただ貼ってあるだけでは多くの人の視界には入るが、読まれはしない。
人が1日で何十枚のポスターを目にしたとして、何枚が記憶に残っているだろう?
よって、まず目を止めてもらうための設計になっている。
まず、目に入った人が必ず視認するサイズで「ばかたれーっ」という広島弁のキャッチコピーを置いている。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月25日
もし、あなたがパリの街角にいる時に「バカヤロー」と日本語で書かれたポスターを見つければ、必ず近くに寄って何が書いてあるか確認しにいくだろう。
それと同じである。
ターゲットの広島県人はこの広島弁のメッセージを広島駅で見ても反応しないだろう。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月25日
でも、東京の駅で見つければ必ず近づいて読む。
そして、近づいて読み始めると
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月25日
『実は私たち、東京に住む同郷の皆さんへ、「帰っておいで」と帰省応援のメッセージをお届けする予定でした』
とある。
ここまで読んで続きを読まずに立ち去れる人がどれほどいるだろう?
これには2つのテクニックが内在されている。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月25日
1つはメッセージが心に響きやすくする手法の「i メッセージ」の手法を使っている。
i (私)を主語にして伝える手法だ。
例えば子供に注意する際に
「~をやってはいけません」と言うより
「~をすると、お母さん(i )は悲しい」
と言う方が伝わる
もう一つは
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月25日
「私たちは元々◯◯でした。でも、□□だったので、△△と言うことになったのです」と言う構成だ。
「私たちは元々◯◯でした」を聞いて「△△でした」というオチを読まずに立ち去れる人間がどれだけいるだろう。
読みさえすれば誰でも感動する。
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月25日
しかし、実はそんな文章は沢山ある。
これは、良い文章を書くだけでなく、それを実際に読んでくれるように綿密に設計したことで、多くの人に読んでもらい、多くの人に感動を与えたのだ。
改めて素晴らしい仕事である。
この一枚のポスターで、
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月25日
どれほどの広島県人が涙を流したか。
どれほどの広島県人が故郷に誇りを持ったか。
一生に一度くらいこんな仕事をしたいものである。
これをプロデュースした山邊氏はあらゆる人の心の広島の価値を上げた。
山邊 @s_yamabe 、お前の友人であることを誇りに思うぞ!
それと、せっかく褒めてるんだからそのプロフィール写真変えた方がいいぞ^_^
— 木下勝寿/東証1部社長兼現役D2Cマーケッター (@kinoppirx78) 2020年12月25日